マンション管理支援アプリ「クラセル」サポート方式の導入事例

kurasel

マンション管理支援アプリ「クラセル」とは

大手管理会社三菱地所コミュニティー傘下のイノベリオス社が開発した、管理組合の会計業務支援に特化したアプリです。分譲マンションの管理において、毎月繰り返し行う管理費等の収納や経費支払い業務の実施とそれらの正確な帳簿作成をスマホやパソコン上で簡単に行うことができるという全く新しい発想のサービスです。


この度、当事務所の顧問先の管理組合様でクラセルを導入いただきましたので、導入までの経緯や導入するメリットなどをこれから検討される皆様へ出来るだけ分かりやすくご紹介させていただきたいと思います。

管理組合の大きな負担となっている会計業務

  • 予算準拠主義の原則
  • 真実性の原則
  • 正規の簿記の原則
  • 明瞭性の原則
  • 継続性の原則
  • 保守主義の原則
  • 単一性の原則

管理組合は、区分所有者から預かった管理費等の金銭をこのような原則に基づいて会計業務を進めていかなければなりません。管理会社へ委託している場合は、プロの手によってこれらのサービスを有償で受けることができますので、あまり意識されたことがない方も多いかもしれません。

自主管理のマンションと言えども、理事会には会計業務をこの原則通り正しく行なっていく責任があります。

例えば、管理費等の請求収納業務としては、区分所有者に対して、管理費、修繕積立金、駐車場や専用庭などの専用使用料、水道料金等を漏れなく請求して、管理組合の口座へ受け入れること、これらが請求通り正しく収められているかを通帳と照らし合わせながら、滞納がないかどうかのチェックを行い正しく帳簿へ記録すること。

あるいは、支払業務として消防設備点検や清掃などの外部業者からの請求に基づいて、期日までに正しく振込を行う必要があります。

管理組合の運営上避けることのできない金銭の収納と支払を予算に準拠させ確実に実施し、正しく帳簿に記載し、総会で承認を得ることの繰り返しが会計業務の正しいあり方であると言えますが、特に自主管理のマンションでは、区分所有者の高齢化や外部所有者の増加により、その役割を担うことが理事会の大きな負担になっているのではないでしょうか。

クラセルの導入で変わること

クラセルでの導入で、請求収納と支払業務をスマホやパソコンのクラセルのシステムで実施することができるようになります。もう少し具体的に表現するならば、変動のない定額の管理費や修繕積立金及び専用使用料などはあらかじめ各部屋ごとにその請求額を登録しておきます。変動がある水道料金などを会計担当理事などがパソコンかスマホのアプリから入力し、それらを理事長がオンラインで承認することで登録された組合員の銀行口座から収納代行会社(三菱UFJファクター)を経由して自動引き落としで収納されます。

収納された金銭は、管理組合の口座に一括で入金されますが、引き落としができなかった対象者もクラセルのシステム上で簡単に把握することができます。つまり、通帳と請求額を照合する手間が大幅に削減できるようになります。

同様に外部業者宛の支払実行もクラセルのシステムとネットバンキングが連携がされているので、会計担当理事などが請求の証憑となる書類の登録をシステム上で行ってから、支払申請処理を実行します。理事長はシステム上で請求の証憑と金額をチェックし承認を与えます。このように必ず2ステップの処理を経なければ、管理組合の口座からオンラインでの支払いを実行させることが出来ない仕組みになります。

つまり、通帳記帳や振込のためだけに会計担当理事が銀行へ行ったり,理事長のところへ銀行印をもらいに行ったり、通帳の入金を帳簿に転記する手間を省くことができるようになります。

また、クラセル上で実行したこれらの請求や支払いの記録は、すべてのデータがクラセルのシステム上に登録され続けますので、管理組合の会計処理が一元化され、申請と承認の過程がスマホやパソコンで全て可視化されるというメリットが享受されます。例えば、ログインアカウントを理事全員に付与しておけばスマホ一つでいつでもどこからでもこれら毎月の会計業務の進捗や過去の実施記録、滞納の有無を簡単に確認できるようになるのです。

クラセルの導入をお勧めするマンションは

今回クラセルを導入いただきました当事務所の顧問先組合様も長年自主管理で運営をされてきた築後約40年20戸規模のマンションです。管理に対する意識は高く、滞納も一切ありませんでした。理事会で高経年に備えてさらに管理に対する意識向上を目指し、管理計画の認定を受けることを目標に掲げておられますが、総会議案添付の帳簿類の作成を正しく、負担を減らしつつ、スムーズに進めたいとの要望があり、クラセルの導入に加えてマンション管理士のサポートを受けながら管理の適正化を進めていくことになりました。

上記のとおり、自主管理のマンションは管理費等の請求や入金確認から帳簿への記録、支払業務も同様に振込依頼書の作成と理事長の押印、銀行窓口へ足を運ぶといった煩雑な作業を自らで正確に行わなければなりません。これまではなんとか自分達でやってこられたが、理事の高齢化も進み、かといって管理会社へ委託する費用をかけずに、なるべく負担を減らし、正しい会計業務を実施したいといったマンションへの導入をお勧めします。

特に自主管理マンションの理事会が総会を迎える度に揃えなければならない会計帳簿書類の作成は、会計の専門的な知識がなくともクラセルを導入すれば簡単に作成することができます。マンション管理士の視点で捉えても、この帳簿作成機能は特筆すべき便利な機能の一つです。

当事務所がお客様へ提供できること

イノベリオス社は、起点が東京となりますのでクラセルの導入前後含めて原則リモートでのサポートとなりますが、ITに不慣れな管理組合様においても導入前後におけるリモート説明会開催環境の提供、導入に際しての総会議案書作成補助、さらには導入前の会計資料の整理など含めてITに精通した当事務所で、お客様の負担を最小限にクラセル導入のお手伝いをさせていただきます。

さらにマンション管理士サポート方式として検討いただければクラセル利用料とは別に費用はかかりますが、管理組合運営の専門家として、規約改正や建物維持管理や長期修繕計画に関することなど、管理組合に寄り添ったアドバイスを提供できますので、これからの高経年の自主管理マンションにとって選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。

クラセルについて費用面など詳しい話を聞いてみたい。導入の検討を考えたいなどのご質問をお待ちしております。

リモート会議開催の風景
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